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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「MEMS RFスイッチを使用し高度なワイヤレス設計や統合の問題を解決する」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、無線機器に必要な高周波信号の切り替えに、小型で軽量、高速スイッチングが可能なMEMSスイッチを活用する方法について解説した記事をご紹介します。

■MEMS RFスイッチを使用し高度なワイヤレス設計や統合の問題を解決する

 近年、携帯電話やIoT機器などのように、無線を利用する小型で高性能な電子機器が急速に増えてきました。そのため、送信信号と受信信号の切り替えや内蔵アンテナと外部アンテナを切り替えるために高性能なRFスイッチが求められています。従来のエレクトロメカニカルRFスイッチは、形状が大きく小型化には不向きです。また、ダイオードやFETを使用したRFスイッチも利用されていますが、複雑な周辺回路が必要になります。そこで注目されているのがMEMSを活用したRFスイッチです。MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)は、機械的な構造を半導体製造技術を用いて作製したデバイスで、可動部分も作り込むことができます。スイッチやフィルタ、センサ、アクチュエータなどをMEMSで超小型に作ることができます。

 【アプリケーションラボ】の解説では、アナログデバイセズ社のADGM1004ADGM1304というMEMSスイッチを取り上げてRFスイッチの原理や実装方法を解説しています。最も単純な1回路1接点のON/OFFスイッチをSPST(単極単投)と言いますが、ADGM1004/1304は1回路4接点のSP4T(単極4投)構造になっています。4つのスイッチは別々に制御が可能です。ADGM1004はDCから13GHz、ADGM1304はDCから14GHzという広帯域で使用でき、内蔵する制御チップがスイッチを静電気力で駆動するために必要な高電圧を発生します。ADGM1004のサイズは5mm×4mm×1.45mm、ADGM1304のサイズは5mm×4mm×0.95mmで、どちらも24ピンのLFCSPパッケージです。

 GHz以上の帯域でRFの設計を行うには、シミュレーション用のモデルやSパラメータが扱える設計ツールと適切な評価ボードが必要になります。そこでアナログデバイセズ社では、EVAL-ADGM1304という評価ボードを用意しています。この評価ボードには、RF信号用のSMAコネクタやスイッチ制御信号用のSMBコネクタ、較正用のオンボード送信ラインなどが搭載されており、詳細なユーザーガイドが同梱されています。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

単極4投MEMSスイッチADGM1004
【ADGM1004JCPZ-RL7】 10,236.67円
単極4投MEMSスイッチADGM1304
【ADGM1304JCPZ-RL7】 9,520円
ADGM1304評価ボードEVAL-ADGM1304
【EVAL-ADGM1304EBZ】 22,988.3円

 

下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。

■高精度アセットトラッキングと屋内位置決めにBluetooth5.1対応プラットフォームを使用(第2部)
 第1部では、2019年1月に公開されたBluetooth 5.1の方向検知機能の詳細について解説しましたが、第2部では、方向検出機能を用いたアプリケーションを構築する方法と実装可能な開発プラットフォームならびにSoCについて詳しく解説します。

■産業用IoTアプリケーション電源が発展するための課題
 IoT機器に使用する電源モジュールには、小型、低消費電力、高効率が求められます。さらに、製品で使用されるACまたはDC入力の電力変換と絶縁デバイスも重要です。そこでここでは、IoT機器に必要な電源を適切に選択する方法について解説します。

  

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