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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「RF電力分配器/コンバイナの基礎」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、高周波信号を分配したり合成したりする際に使用されるRF電力分配器コンバイナについて解説した記事をご紹介します。

■RF電力分配器/コンバイナの基礎

 携帯電話やIoT機器が広く使用されるようになり、高周波信号を扱う機器が増えてきました。そのため、高周波信号の分割や結合は最新のRF設計にとって不可欠な要素になっており、この機能を担うのが電力分配器コンバイナです。分配器は、入力信号を変更せずにそのまま複数に配分するデバイスであり、デバイダーやパワースプリッターとも呼ばれます。逆に、コンバイナ(conbiner)は信号を合成するデバイスで、一般に分配器を逆方向に使用すればコンバイナになります。

 分配器やコンバイナには、入出力間で損失を少なくする、入出力のインピーダンスを整合させる、信号間のレベルや位相のバランスを合わせる、端子間の信号の漏れを減らすといったことが求められます。

(A) (B) (C) (D)

 

 【アプリケーションラボ】の解説では、分配器/コンバイナに使用されている3種類の基本回路である抵抗分配器ウィルキンソン分配器ハイブリッド分配器について解説し、入手可能な製品を紹介しています。

 抵抗分配器は、周波数特性のよい抵抗を使用すれば、広帯域で安定した特性が得られますが、抵抗による電力損失が必ず3dB生じます(写真A)。ウィルキンソン分配器は、プリント基板上で1/4λのストリップラインとバランス抵抗で構成され、主に数GHz以上の周波数で用いられますが、帯域幅に制約があります(写真B)。ハイブリッド分配器は、トランスにより信号に90度や180度の位相差を持たせ、打ち消しや合成を行うことでポートの出力を制御します(写真C)。また、Analog Devices社のADA4304-3は、3dBのアンプを内蔵したアクティブ分配器で、挿入損失を解消することができます(写真D)。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

 

チップパワースプリッター
【PS2012GT2-R50-T1】 583.12円
3.1~5GHzパワーデバイダー
【PD3150J5050S2HF】 134.29円
5MHz~1GHzパワーデバイダー
【MAPD-009278-5T1000 410.67円
1:3/1:4アクティブRFスプリッター
【ADA4304-3ACPZ-R7】 468円

 

下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
 
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