デバイス

Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介 「SiCベースのMOSFETを使用したパワー変換効率の改善」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、これからの需要増が期待される電気自動車や5Gなどに必要になると考えられているSiC MOSFETについて解説した記事をご紹介します。

■SiCベースのMOSFETを使用したパワー変換効率の改善

 SiC(炭化ケイ素)は、パワーデバイスや高周波デバイスにおいてSi(シリコン)に代わる半導体素材として期待されています。SiCベースのデバイスはSiデバイスに比べて最大10倍の絶縁耐圧を持ち、25℃ではオン抵抗が半分以下になるため、Siの約10倍の速さでスイッチングさせることができます。

 また、高温での動作限界がSiは125℃ですが、SiCは200℃まで動作が可能なため、熱設計と熱管理が容易です。したがって、性能の向上に加えて、周辺部品の削減や小型化が可能になるため、デバイスのコストはSiに比べて高くなりますが、全体のコストは下がる可能性があります。

 SiCデバイスの開発は、現在のところCree/Wolfspeed、ローム、インフィニオン、STMicroelectonicsなどが注力していますが、需要の増加に対してSiCウェハーの供給が追い付かなくなるとも予想されています。

  【アプリケーションラボ】の解説では、Cree/Wolfspeed社のSiCデバイスを取り上げて、SiCの利点とSiC MOSFETを使用した設計法について解説しています。

 Cree社は、米国ノースカロライナ州に本社を置くLED照明や照明器具、化合物半導体素材を開発/販売する企業です。ノースカロライナ州立大学で炭化ケイ素を結晶として成長させる方法を考案した創業者たちが、商品化を目的に1987年にCree社を設立しました。1989年には、SiCによる世界初の青色LEDを発表しています。現在、SiCウェハー素材では過半を超える世界シェアを持っています。また、Wolfspeed社は、SiCによるパワーデバイスと無線デバイスの開発に特化させるため、2015年にCree社から分社化されてできた企業です。

 解説で取り上げられているC3M0280090Jは、Cree/Wolfspeed社製のSiC MOSFETでは第3世代に相当し、低キャパシタンスの高速スイッチングに最適化されており、ドライバソース端子付きの低インピーダンスパッケージを採用し、ファーストリカバリダイオードを搭載し、ドレイン-ソース間の距離が広く設計されています。

 Cree/Wolfspeed社は、SiC MOSFETデバイスの高速スイッチング性能の評価用にバックブースト評価キットなども提供しています。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

SiCパワーMOSFET 900V 11A
【C3M0280090J】 550.65円
SiCパワーMOSFET 1200V 30A
【C3M0075120D】 3,106.67円
SiCパワーMOSFET 1200V 30A
【C3M0075120K】 1,614.44円
SiCパワーMOSFET 1200V 30A
【C3M0075120J】 1,614.44円
 
C3M SiCバック-ブースト評価キット
【KIT-CRD-3DD12P】 58,554.74円
 
SiC MOSFET絶縁ゲートドライバ評価ボード
【CGD15SG00D2】 6,460円
 

 下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。

■アイドル状態での効率的なタイムキーピングによりウェアラブル機器の電池寿命を延長

 ウェアラブル電子機器は、電池寿命を延ばすためにユーザーが操作するまでマイクロコントローラなどの消費電力の高い部品はスリープ状態になるように設計します。その際、スケジュール化されたイベントを管理するために、正確なリアルタイムクロック(RTC)が必要になります。ここでは、高精度なRTCを使用してウェアラブル電子機器の電池寿命を伸ばす方法をMaxim社のデバイスを使って解説します。

■MEMSスピーカの利点とは

 従来のダイナミック型スピーカなどに代わって、小型で低消費電力という特長を持つMEMSスピーカが急速に普及しています。ここでは、MEMSスピーカは従来のスピーカと比較してどのような利点があるのかを応用範囲も含めて詳しく解説します。
 

 

ページトップへ