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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介 「電池駆動のBluetooth 5認証マルチセンサIoTデバイスの迅速なデプロイ」

  「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、低消費電力のIoT機器を短期間で開発するのに最適なON Semiconductor社のモジュールRSL10について解説した記事をご紹介します。

■電池駆動のBluetooth 5認証マルチセンサIoTデバイスの迅速なデプロイ
 最近はウェアラブル機器をはじめとして、家電や自動車、医療用機器、照明、施錠器具など、Bluetoothに対応した電池駆動のスマート製品の開発が進められています。これらは高機能でありながら低消費電力が求められるなど、設計が難しいにも関わらず短期間で市場に投入しなければなりません。そのような要求に最適なデバイスがON Semiconductor社のRSL10です。なお、デプロイとは機能やサービスを利用できる状態にすることです。

 RSL10は消費電力が非常に小さいため、以前に【アプリケーションラボ】ではエナジーハーベストによる電池不要のスイッチとして解説を行っています。

 RSL10は、汎用処理用にArm Cortex-M3コア、特殊アプリケーション用にON Semiconductor独自の32ビットDSPコア(LPDSP32)が搭載されています。さらに、384Kバイトのフラッシュ、76Kバイトのプログラムメモリ、88Kバイトのデータメモリ、Bluetooth物理層(PHY)をサポートする2.4GHz RFフロントエンド、Bluetooth 5.0プロトコルをサポートするベースバンドコントローラなどが搭載されています。

 RSL10は1.1V~3.3Vの電源電圧で動作し、消費電力は非常に低く抑えられています。スタンバイモードの消費電流は30μAで、ディープスリープモードでウェイクアップのみにすると消費電流は50nA(バッテリー電圧1.25V時)になります。

 また、設計をより簡単にするために、RSL10チップ、受動素子、アンテナを1パッケージに集積したSiP(システムインパッケージ)も用意されています。このデバイスはBluetooth認証を取得済みなので、RF設計は不要と言えます。

RSL10-SiP

 【アプリケーションラボ】の解説記事では、RSL10の性能ならびに効果的なシステム設計の手順について詳しく解説しています。ON Semiconductor社からはRSL10ソフトウェア開発キット(SDK)が提供されており、RSL10 CMSIS-Packとして、ドライバ、ユーティリティ、サンプルコードなどが配布されています。

 さらに、マルチセンサ評価キットRSL10-SENSE-GEVKを使用すれば、RSL10を評価するだけでなく、そのまま製品に組み込むこともできます。このボードには、周囲光センサ(NOA1305)、慣性計測ユニット(BHI160)、3軸デジタル地磁気センサ(BMM150)、環境センサ(BME680)、デジタルマイクロフォンなどが搭載されています。

RSL10-SENSE-GEVK

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

Bluetooth 5 Radio SoC
【NCH-RSL10-101WC51-ABG】 1,098.75円
Bluetooth 5 SIP
【NCH-RSL10-101S51-ACG】 1,441.57円
RSL10センサ開発キット
【RSL10-SENSE-GEVK】 6,460円
RSL10センサ開発キット(デバッガー付き)
【RSL10-SENSE-DB-GEVK】 15,009.78円

 下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。

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