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最近は防水と防塵に対応していることを示すIP67と表記される製品が増えてきましたが、今回はこのIP規格について解説した記事をご紹介します。
■IP定格と防水コネクタの概要 最近よく目にするようになったIP(International Protection)コードは、IEC(国際電気標準化会議)によって定められた国際保護等級のことで、JISにも採用されています。目的は、人体の接近に対する保護と固形物や水が装置内に侵入することから保護する性能を明確にすることで、規格の名称はIEC60529です。
IP××のように2桁の数字で保護のレベル(等級)を表します。保護等級は、以下のように定められています。
第1数字は人体や固形物体に対する保護を示し、0:保護なし、1:50mmより大きい、2:12.5mmより大きい、3:2.5mmより大きい、4:1.0mmより大きい、5:防塵型、6:耐塵型、と決められていて、例えばIP6×は粉塵の侵入が完全に防護されていることを示します。
第2数字は水の侵入に対する保護を示し、0:保護なし、1:滴下水、2:15°の傾斜で落下する水、3:噴霧水、4:飛沫、5:噴流水、6:波浪、7:水中浸漬、8:水没、と決められていて、IP×7は15cm~1mの水深で30分間の水没に耐えられることを、またIP×8は水中での使用に耐えられることを示します。
したがって、IP67とは装置内部に粉塵が入ることがなく、水中に落としても30分以内なら故障せずに使用できることを保証します。
【アプリケーションラボ】では、IP規格の概要ならびにIP定格コネクタの選択法についてCUI Devices社の技術者が解説しています。例えば、プラグや外部装置が接続されていないときに、予期しない水や埃の侵入から内部回路を保護するために、オーディオ、USB、DC電源ジャックなどの外部ポートを備えた装置にはIP定格のコネクタが必要になります。その他の例としては、産業用のケーブル対ケーブルの接続などでもIP定格のコネクタが必要です。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
USB3.1レセプタクル 【UJ31-CH-3-MSMT-TR-67】 580.52円 |
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DC電源ジャック 【PJ-001AH-67】 834.62円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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