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今回は、FPGAに関するテーマの第3回目としてMicrochip Technology社のFPGAについて解説した記事をご紹介します。
■FPGAの基礎(第3部):Microchip Technology製FPGA入門 【アプリケーションラボ】では「FPGAの基礎」と題して、第1部では基本的な事柄を解説し、第2部ではLattice Semiconductor社のFPGAを紹介しました。第3部では、Microchip Technology社のFPGAについて解説を行っています。
Microchip社はPICマイコンで有名ですが、PICマイコンは分社化される前の親会社であるゼネラルインスツルメンツ社で開発されたデバイスでした。その後、Microchip社は企業買収を行うことで製品ラインナップを増やしていきます。例えば、Arduinoに採用されているマイコンを開発したAtmel社やNOR型フラッシュメモリを主力とするSilicon Storage Technology社などです。2018年に買収したMicrosemi社もその一つです。
Microsemi社は、航空/宇宙や軍事に強いディスクリートデバイスを主力としていましたが、信頼性の高いフラッシュメモリをベースにしたFPGAを開発したActel社を2010年に買収することで、FPGAメーカーとしても存在感を示していました。
Microchip社のFPGAには、IGLOO2、SmartFusion2、PolarFireという3つの大きな製品ラインナップがあります。IGLOO2とSmartFusion2はメモリセルにフラッシュメモリを採用し、PolarFireはSONOS構造という特殊なSRAMを採用していますが、いずれも不揮発性メモリです。そのため、他社のFPGAと比較して消費電流が少なく小型化が可能で、電源を落としてもデータが消去されないといった特長があります。消費電流が少なくなるのは、不揮発性メモリの場合、セル間のリークが少なく、電源投入時の書き込みなどが不要になるためです。
IGLOO2は5,000~150,000個のLE(ロジックエレメント)に、メモリサブシステム、フラッシュ512KB(最大)、SRAM 32KB×2、DMAエンジン2基、DDRコントローラ2基を備えています。IGLOO2とSmartFusion2の違いは、SmartFusion2には166MHzのArm Cortex-M3が搭載されていることです。CPU専用のI2CやSPI、CANインターフェースも搭載されています。
PolarFire(上図)は、LE数が100,000~500,000で、ミドルレンジで低コスト、低消費電力を求めるユーザーをターゲットにしています。LE数が109kのMPF100T、192kのMPF200T、300kのMPF300T、481kのMPF500Tのラインナップがあります。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。。
IGLOO2 FPGA 【M2GL025-FGG484I】 8,821.11円 |
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SmartFusion2 FPGA 【M2S025-FCSG325I】 8,218.89円 |
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PolarFire FPGA 【MPF100T-FCSG325I】 27,671.28円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■単一プラットフォームによるワイヤレスセンシングノードの迅速な試作とデバッグ IoTが普及してきたことにより、現在はさまざまな装置にワイヤレス機能が求められるようになりました。しかしゼロから開発するのは困難なので、そのためには既存のプラットフォームを活用するのが有利です。ここでは、Texas Instruments社のLPSTK-CC1352R LaunchPad SensorTagキットを紹介します。
■LoRaWANによるIoTのロックダウン ロックダウンは、外部からの侵害を防ぐということです。LoRaWANはWAN接続のための低電力プロトコルで、複雑なローカルインストールを必要とせずにデバイス間の相互運用性とセキュリティを実現できます。
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