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今回は、Nordic Semiconductor社のThingy:91を使用して簡単にLTE-MやNB-IoTによるIoT機器を実現する方法について解説した記事をご紹介します。
■LTEマイクロコントローラとルータでリモート産業用IoTセルラーエンドポイントを迅速に実装
一般に、多くのIoT機器ではLPWA(Low Power Wide Area)による通信が必要とされますが、LPWAにはISM帯を利用するLoRaWANやSigfoxと、LTE回線を利用するLTE-MやNB-IoTがあります。LTE-M(カテゴリーM1)やNB-IoT(狭帯域IoT)は、LTE回線によるIoT向けの通信規格です。利用するには、移動体通信事業者が提供するSIMカードが必要です。IoT機器が移動しない場合は有線LANやWi-Fi、Bluetooth、Zigbeeなどで対応できますが、自動車や鉄道などで使う場合には携帯電話と同じLTE回線を使うことになるでしょう。LTE-Mの通信速度は300kbps程度、NB-IoTは30kbps程度なので、移動するIoT機器ではLTE-Mが適しています。
<Thingy:91>
Nordic Semiconductor社は、1983年にノルウェーで設立されたファブレス半導体企業です。2.4GHzのISM帯向けのワイヤレス製品を中心に開発/販売を行っています。Bluetooth Low Energyに対応したnRF51/52シリーズなどがよく知られています。nRF9160は、2018年末に発表されたLTE-M/NB-IoTモデムを内蔵したセルラーIoT機器用のSiP(System in Package)です。nRF9160は、64MHzで動作するArm Cortex-M33を採用し、1MBフラッシュ、256KB RAMを搭載しています。Arm TrustZoneに対応しているので、セキュリティ対策が容易になります。
Thingy:91は、nRF9160を搭載したIoT機器の開発をサポートするセルラー開発キットで、オレンジ色のボックスにパッケージ化されています。GPS、環境センサ(温度/湿度、空気質、気圧)、加速度センサ、光/カラーセンサ、電流測定ポート、1400mAhのリチウムポリマー電池などを搭載しています。無線に関しては、FCC、CE、日本の技適などの認証を取得済みなので、世界中のほとんどの地域で使用することができます。
ここで解説されている製品は、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
セルラーIoT SiP 【nRF9160】 2,910円 |
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Nordic Thingy:91 【nRF6943】 15,701.09円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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