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今回は、低価格なカメラモジュールOpenMV H7を使用して機械学習(ML)により物体検出やマシンビジョンを実現する方法について解説した記事をご紹介します。
■OpenMVカメラですぐに始める機械学習による物体検出
現在ではAI技術の進歩により、画像認識や顔認識などが容易に実現できるようになりました。そのため、従来は高額だったマシンビジョンシステムなどが低価格で実現できるようになっています。マシンビジョンはカメラで画像を取り込んで処理をするシステムのことで、製造ラインの不良品検出などに使用されています。
< OpenMV H7カメラモジュール >
【アプリケーションラボ】の解説では、OpenMVプロジェクトが開発したOpenMV H7カメラモジュールを使用して物体検出を行う方法について詳しく解説しています。OpenMVは、「Arduino of Machine Vision」を目標に2013年に開始されたプロジェクトで、クラウドファンディングによる最初のOpenMVカメラモジュールが2015年に出荷されています。
OpenMV H7カメラモジュールは、従来のマシンビジョンシステムと比べて桁違いに低価格でありながら、MLを利用した物体検出に必要なハードウェアをすべて搭載した開発ボードです。本モジュールは35.6mm×44.5mmと比較的小型で、以下のものを搭載しています(解説当時よりも性能が大幅にバージョンアップされています)。
・STM32H743VI(Arm Cortex-M7、480MHz動作、2MBフラッシュ、1MB SRAM) ・OV7725イメージセンサー、M12マウントに2.8mmレンズが付属(交換可能) ・電池コネクタ(3.7V LiPoバッテリー互換) ・microUSBコネクタ ・RGB LED、赤外線LED×2 ・microSDカードソケット ・拡張入出力(I/O)
カメラ部分は取り外し可能なので、より高解像度のカメラやサーマルカメラなどを使用することができます。アプリケーションの開発にはOpenMV IDEを使用し、プログラミングはPythonで行います。OpenMV H7カメラモジュールは、ネイティブでMicroPythonを実行します。
OpenMV H7カメラモジュール 【SEN-15325】 9,534.44円 |
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MT9V034イメージセンサ 【MT9V034C12STM-DP1】 2,983.33円 |
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Gravity:OpenMV H7用I/O拡張シールド 【DFR0578】 735.06円 |
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FireBeetle開発モジュール 【DFR0498】 2,555.56円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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工場や製造設備にもタッチスクリーンの使用が増えていますが、耐久性などでまだまだ機械式スイッチが必要とされています。ここでは、バッテリレス環境発電スイッチを使用して、有線を使用できない場合に機械式スイッチを産業用IoT機器へ応用する方法について解説します。
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