今回は、Nvidia社のAI開発プラットフォームであるNVIDIA Jetsonシリーズの最新モデル「NVIDIA Jetson Xavier NX開発者キット」をご紹介します。
NVIDIA Jetsonシリーズは、2014年に発表されたTegra SoCを搭載した組み込み機器用の開発ボードJetson TK1が最初で、その後TX1、TX2と続き、Tegraの後継として開発されたXavierを搭載した最上位モデルとなるJetson AGX Xavierが2018年に発表されました。また、2019年には、TX1の後継として低価格で小型でありながら高性能なJetson Nanoが発売されています。
Tegraは、ArmコアとGPUを搭載したモバイル機器向けに開発されたSoCで、Nintendo Switchなどに採用されています。Tegraはもともとスマートホンを対象として開発されたものでしたが、Xavierは自動運転やロボットなどのAI機器を対象にしています。ちなみにXavierの発音はシャビエルになるのでしょうか。英語ではエグゼヴィア、日本ではザビエルとなりますが。
< Jetson Xavierモジュール >
Xavierを搭載した「NVIDIA Jetson Xavier NX」は、TX2の後継となるモデルです。Nvidia社によると、Jetson Xavier NXはJetson Nanoの10倍以上の性能を持ち、Jetson AGX Xavierのおよそ1/2の性能であるということです。
Jetson Xavier NX開発者キットは、Xavierを搭載したモジュールと周辺機能を集めたベースボードで構成されています。モジュールは70mm×45mmとクレジットカードより小さく、低消費電力で動作します。省電力に対応できるように、15Wで6コア/4コア/2コア、10Wで4コア/2コアという5種類のパワーモードがあり、15Wでは21TOPS、10Wで14TOPSというサーバー並みのパフォーマンスを示します。TOPS(Tera Operations Per Second)は、1秒間に1兆回の整数演算が可能であることを意味します。
CPUにはCarmel Arm v8.2 64ビットCPUを6コア採用し、GPUには384 NVIDIA CUDAコアと48 TensorコアのVoltaアーキテクチャを採用しています。ちなみに、GPUアーキテクチャの名称には、Fermi、Kepler、Maxwell、Pascal、Voltaと科学者の名前が付けられてきました。メモリは8GB/128ビットのLPDDR4xを搭載し、バス幅は51.2GB/秒です。
< Jetson Xavier NX開発者キット >
ベースボードのサイズは103mm×90.5mmとJetson Nanoとほぼ同じで、コネクタの配置なども同じになっています。したがって周辺機能もJetson Nanoと同じで、4Kに対応したビデオエンコーダ/デコーダや、MIPI CSI-2 DPHYレーン×2によるカメラ接続に対応しています。このほか、Gigabit Ethernet、M.2 Key-E、M.2 Key-M(NVMe)、HDMI、DisplayPort、USB3.1×4、microUSB2.0、GPIO、I2C、I2S、SPI、UARTなどを備えています。ストレージにはmicroSDカードを使用します。M.2 Key-Eは背面に移動されており、一方に無線LANカードが接続されています。もう一方は、NVMe(Non-Volatile Memory Express)プロトコルに対応しています。
Jetson Xavier NX開発者キット 【JETSON-XAVIER-NX-DEVKIT】 52,800円 |
|
|