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今回は、FPGAの基礎と題した4回目の解説記事になりますが、Xilinx社のFPGAについて解説した記事をご紹介します。
■FPGAの基礎(第4部):Xilinx FPGA入門 Xilinx(ザイリンクス)社はZilog社をスピンアウトした技術者が1984年に設立した米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く半導体メーカーで、製造設備を持たないファブレスモデルを確立したことでも知られています。FPGAを最初に製品化した企業であり、現在のFPGA市場の半分のシェアを占めています。
Xilinx社のFPGAには、高性能で高価格なVirtexシリーズからKintexシリーズ、Artixシリーズ、低消費電力で低価格なSpartanシリーズまで、用途に応じて様々な製品があります。28nmプロセスで製造されたFPGAは7のサフィックスが付けられ、Virtex-7、Kintex-7、Artix-7、Spartan-7のファミリがあります。また、20nmプロセスで製造されたFPGAはUltraScale、16nmプロセスで製造されたFPGAはUltraScale+と呼ばれています。UltraScaleとUltraScale+の製品には、VirtexシリーズとKintexシリーズがあります。
また、Zynqシリーズは、ArmプロセッサをベースとするSoCとFPGAを統合した製品です。28nmプロセスで製造されているZynq-7000ファミリはCPUコアにArm Cortex-A9 MPCoreを採用しており、KintexをベースとするファミリとArtixをベースとするファミリがあります。最新のZynqシリーズは、16nmプロセスのUltraScale+で製造されていて、CPUコアにはArm Cortex-A53とArm Cortex-R5が採用されています。
初期のFPGAは、プログラムを書き込むためのロジックエレメントと汎用I/Oのみという構成でしたが、現在のFPGAはPLLやDSP、SERDESインターフェースなどが搭載されており、さらにZynqシリーズに代表されるようなマイコン搭載SoCやRF機能を備えたSoCなどのように多機能なデバイスが使用されるようになっています。
Xilinx社は、人工知能(AI)や機械学習(ML)アプリケーション向けにACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)という新しいカテゴリの製品を発表しました。これは7nmプロセスで製造されたVersalシリーズで、FPGAとCPUコアに加えてAIアクセラレータエンジンを搭載しています。
< Versal ACAP 内部ブロック >
【アプリケーションラボ】では、Xilinx社のFPGAの特長と製品ラインナップ、開発環境の機能などについて詳しく解説しています。Xilinx社のFPGA用の開発ツールには、VivadoとISEの2種類があります。現在はISEからVivadoに移行していますが、Spartan-6などの古いデバイスはVivadoではサポートされていないので、ISEを使用する必要があります。VivadoではC言語による開発が可能ですが、より抽象度の高い開発用としてVitisやVitis AIと呼ばれるツールが用意されています。Vivadoはハードウェア技術者用のツールであり、VitisやVitis AIはソフトウェア技術者用の開発ツールになります。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
Artix-7 FPGA評価ボード 【410-328-35】 11,138.04円 |
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Kintex UltraScale FPGA評価ボード 【ADS9-V2EBZ】 1,185,372.63円 |
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Kintex UltraScale+ FPGA評価ボード 【EK-U1-KCU116-G-J】 401,881.05円 |
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Zynq-7000 SoC FPGA評価ボード 【410-351-10】 24,373.4円 |
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Zynq UltraScale+ MPSoC FPGA評価ボード 【EK-U1-ZCU102-G】 342,105.26円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■圧電トランスデューサブザーでより大きな音声出力を得る設計手法 圧電トランスデューサ(ピエゾトランスデューサ)によるブザーは、可聴識別やアラートの手段として幅広く使用されています。ここでは、圧電トランスデューサによるブザーの原理と音声出力を増加させる設計手法ならびに制約などについて解説します。
■狭ピッチ基板間コネクタを使用してシステムパッケージングを最適化 スペースを節約するために、1枚のプリント基板ではなく複数のプリント基板に分けることが多々あります。ここでは、回路性能を維持しつつ電磁妨害などを防ぐ、プリント基板どうしを接続するBTB(基板対基板接続)コネクタの使用法を詳しく解説します。
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