「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、今年の1月に公開されたBluetooth5.2の概要とBluetooth5.2に対応したSilicon Labs社のデバイスについて解説した記事をご紹介します。
■高度なBluetooth5.2対応SoCを使用してセキュアな低電力IoTデバイスを構築
Bluetoothは、現在では様々な用途に使用されていて、なくてはならないものになっていますが、Bluetooth SIGはさらに改良を続けています。2019年1月に公開されたBluetooth5.1では方向検知機能が追加されましたが、2020年1月に公開されたBluetooth5.2では「拡張属性プロトコル」、「LE電力制御」、「LEアイソクロナスチャネル」という3つの機能が追加されました。
「拡張属性プロトコル」は、従来の属性プロトコルに置き換えられたプロトコルレイヤで、複数のアプリケーションによるBluetoothの同時アクセスが可能になりました。また、必要最低限の電力で無線通信ができるようにするため、「LE電力制御プロトコル」では送信電力の制御を動的に行えるようになりました。そして、「LEアイソクロナスチャネル」はリアルタイム伝送用に新たに設けられたチャネルで、従来は1チャネルのみでしたが、複数のデバイスに遅延なくオーディオ信号を送ることができるようになり、ブロードキャストも可能になりました。これらの機能を使用した「Bluetooth LE Audio」も公開されていて、マルチスピーカーへの対応や劇場や駅、空港などでのアナウンスや補聴、多言語サービスなどが可能になります。
< ワイヤレスGeckoスターターキット >
【アプリケーションラボ】では、Bluetooth5.2の電力制御機能やメッシュネットワーク、位置情報サービスなどについて解説した後、Bluetooth5.2に対応したSilicon Labs社のEFR32BG22 SoCファミリの特長を詳しく解説しています。EFR32BG22は、低消費電力とセキュリティに重点を置いて開発されたBluetooth通信用デバイスです。送信時の消費電流が3.6mA、受信時は2.6mAという超低送受信電力を実現し、搭載しているArm Cortex-M33コアの消費電力が動作時で27μA/MHz、スリープ時には1.2μAと極めて小さく、コイン電池による動作を最大10年まで延ばすことが可能です。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
Bluetooth5.2 SoC 【EFR32BG22C224F512GN32-C】 504円 |
|
Thunderboardワイヤレスクラウドキット 【SLTB010A】 2,721.11円 |
|
ワイヤレスGeckoスターターキット 【SLWSTK6021A】 12,389.13円 |
|
下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■シングルボードコンピュータを使用したIIoTエッジコンピューティングプラットフォームの製作
産業用IoT機器の開発においても市販のシングルボードコンピュータ(SBC)を使用すれば開発期間を短縮できるだけではなく、将来のアップグレードにも迅速に対応できます。ここでは、産業用IoT機器向けのSBCを活用してエッジ処理が可能なIoTシステムの構築法を解説します。
■アナログ基本編(パート1):SAR A/Dコンバータ
アナログ技術の基礎を数回に分けて解説します。まず、アナログの世界をデジタルの世界に接続するA/Dコンバータについての解説から始めます。今回は、逐次比較型A/Dコンバータの原理と使用上の注意点などについて詳しく解説します。
|