2015年09月27日

オーディオ

ヘッドホンアンプキット(LHPA-DIA_BUFFER-KIT)の作り方 その4

今回は、ロングセラーのヘッドホンアンプキット(LHPA-DIA_BUFFER-KIT)の作成方法を紹介します。
このヘッドホンアンプキットは、2009年にLinkmanから発売されたヘッドホンアンプ単品のキットです。
発売から時間がたっていますが、その回路構成や部品は、現在でも通用する優れた性能になっており、今でも売れ続けているヒット商品です。
はんだ付け作業もありますが部品点数もそれほど多くないので気軽に高音質ヘッドホンアンプを作成できます。
本体は、モジュール化された1枚基板になっていますし、電源も+5V~+12Vまたは、±2.5V~±6Vと様々な電源に対応しているので、 自作のアンプに追加したり、ケースに入れて単独のヘッドホンアンプにしたりと多彩な用途に適応しています。

それでは、このヘッドホンアンプの詳細な作成方法、オペアンプの交換による音質改善、ケースへの組み込みいろいろな電源供給方法など、順を追って紹介していきます。


その4では、このヘッドホンアンプを使用した応用について説明いたします。

1.電源について

前回のオペアンプのところで、いろいろな電源を紹介しましたが、如何でしょうか?音質の比較試聴されましたか?
中には、やっぱり電圧高いほうが音が良いけど、ACアダプターでは不便だという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、便利なモジュールを紹介したいと思います。

IVR3261DC-DCコンバータモジュール【MIVR3261】

このモジュールは、+片電源から-電源を作るという優れものです。もっともスイッチング電源なんで、このモジュールの場合500KHzで発振しています。

これを利用すれば、電源方式のバリエーションを増やす事ができます。入力電圧は、4.5V~36Vなので、

(1) USB +5Vを±5Vで使用する。
(2)単3-4本 +6Vを±6Vで使用する。
(3)単3-3本 +4.5Vを±4.5Vで使用する。
(4)セットに組み込む時に+5Vしかない場合これを使って±5Vで使用する。

などいろいろ考えられます。

特に、片電源5Vの場合は、前回、記事に書いたように、オペアンプによっては、電源までフルスイングできないものがありますからこれで倍の電圧にすれば入力レベルが高い時にも歪まずに対応できるようになります。

 

①まず、ヘッドホンアンプキットを±電源対応に変更します。片電源から±に変換している回路の部分を削除します。
R1,R2,Q1,Q2,Q3,Q4の6点をはずします。

小型モジュールなので、部品をはずしたところに収まってしまう大きさです。

写真のように空いたスペースに組み込んでみました。

 

①USB電源5V+MIVR3261 による±5V電源

+側は、USBの出力なので+5V出ています。

-側は、-3.6V1.4V落ちています。

 

さて、どうして―側が落ちているのでしょう?

このモジュールは、100mAまで出力できますが、データーシートにあるように、電流によって電圧ドロップが生じます。

このように500KHzで発振している時は60mA流れると1.5V電圧が降下します。
ヘッドホンアンプの回路は、+5Vで45mA+12Vで90mAの電流が流れると仕様にありますから、5+3.6V=8.6Vでは、70mA程度になるのでほぼほぼ仕様に近い電流が流れていることがわかります。
電源がアンバランスになってしまいますが、その出力波形を見てみましょう。

片電源の時と変わらない波形ですね。

問題のOPA2140も出力はつぶれません。 ドロップしても3.6Vありますから、入力リミットは広がっているはずですね。
基本的には、このような回路構成で、電源がアンバランスになっても音質に影響するのは少ないと思われますが、この状態でいろいろなオペアンプを試聴して確認してみてください。

 

②乾電池4本6V+MIVR3261による±6V電源

+側はもちろん6Vです。

-側は、4.7Vにドロップしています。

電池の場合は、電圧が高いにもかかわらず、ドロップした電圧が1.3VとUSB電源より良いですね。
これは、電池の場合電源のインピーダンスが低いせいかも知れません。

 

では、出力波形を見てみましょう。


ちょっと気になるのが電源のノイズですよね。

このように、両電源ともに MIVR3261のスイッチング周波数500KHzが載っています。USB5Vの時も同じ状態です。
ACアダプター+12V、電池±6V、電池9V、USB±5V それぞれ比較してみてください。

 

2.ケース組み込み

最後になりますが、ケースへの組み込みです。

これは、お使いになる状況に合わせて種々雑多だと思いますが、作る際の参考になればと思います。

 

穴あけする場合の工具と使い方について紹介しています。

・ 電子工作に必要な工具の種類と使い方【穴あけ編】

 

まず、仕様ですが、なるべく小さくポータブルのようにできたらと思い、9V乾電池の片電源仕様を選択しました。

その寸法から100円ショップで見つけてきたのがこのケースです。

120×80サイズで深さが15mmあります。

 

ボリュームと入出力の穴を開ける必要があるのですが、こうした工具を利用すると簡単に穴あけができます。

左がピンバイスです。 ドリルの歯をチャッッキングして手で回して穴あけします。(プラスチックや薄いアルミならば穴あけできます)

ピンバイス 収納式ドリルセット1Φ 0.1-3.2mm【TPVS1.0S】

右側のはテーパーリーマーで、穴を手動で広げるのに使用します。(現物合わせしながら必要な穴径に自在に出来るので便利です。)

テーパーリーマー(3.0〜12φ)【TR-01】

穴あけ前の部品を並べてみた状態と、穴あけして取り付けた後の状態です。ボリュームの部分は、上蓋もやすりで削りました。

全体像です。透明なので、中身が丸見えです。
基板は、防音戸当りテープ(スポンジテープ)で支えました。電池部分にも貼ってあります。
これを使うとネジ止めとか必要ないので簡単です。この状態で蓋を締めれば振っても動かず固定されています。
心配であれば、隙間を厚めのスポンジテープで固定すればいいのではないでしょうか。

ケースの固定には、マジックテープのコードクランプを使いました。
今回は電源スイッチをつけませんでしたが、適当なスライドスイッチなどをつければ出来ると思います。

 

外に持ち出せるポータブルにはほど遠いですが、電源がいらないので手軽にヘッドホンを聞くことができます。
みなさんも、いろんなケースに挑戦してみて下さい。

 

【更新!】
Linkmanのアンプケースを利用した、ヘッドホンアンプの製作方法を載せました。
是非、ご検討ください。

・Linkman アンプキット用ケースを利用したヘッドホンアンプの製作

ヘッドホンアンプの作り方は、今回で最終です。 最後までお読み頂きありがとうございました。

 

【関連記事】

ヘッドホンアンプキット(LHPA-DIA_BUFFER-KIT)の作り方 その1

ヘッドホンアンプキット(LHPA-DIA_BUFFER-KIT)の作り方 その2

ヘッドホンアンプキット(LHPA-DIA_BUFFER-KIT)の作り方 その3

Linkman アンプキット用ケースを利用したヘッドホンアンプの製作

ページトップへ