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LVモジュール組み合わせ 3.USB-DAC対応プリアンプ

USB-DAC対応プリアンプの製作

~LVモジュール組み合わせ USB-DAC対応プリアンプを作る

 

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LVシリーズは、いろいろなモジュールを組み合わせる事によってオリジナルの商品を作成する事ができます。
今回は、ハイレゾ対応のUSB-DAC、アナログ3入力、有機EL表示、リモコンなどハイスペックなプリアンプを紹介します。


 

1.必要な部材

今回使用した部品の一覧です。

名称品番数量
1 システムマイコンボード【LV2-SMBM】 LV2-SMBM 1
2 AC/DC電源基板キット【LV2-ACDCM-KIT】※1 LV2-ACDCM-KIT 1
3 LV-2.0 USBDAC基板モジュール完成品【LV2-USBDACM】 LV2-USBDACM 1
4 電源トランス【LVX-TR20】 LVX-TR20 1
5 LV汎用配線セット【LVX-WIRE-SET】 LVX-WIRE-SET 1
6 LV専用ケース【LVX-CASE2】 LVX-CASE2 1
7 LV用リアパネル【LVX-RP1】 LVX-RP1 1
8 プリアンプ【LV2-PRAM】 LV2-PRAM 1
9 RCAジャック 赤 ※1 RJ-2003/R 1
10 RCAジャック 白 ※1 RJ-2003/W 1
11 赤外線リモコン LV1-REMOCON 1
12 1芯シールドケーブル 富士電線 MVVS 0.5 1m

※1 はんだ付け作業が必要です。 AC/DC基板キット  プリアウトRCAジャック配線

 

 

各部材です。

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ケースと配線セットです。

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トランスと各モジュールです。

 

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シールド線は、実際には50cmも使用しません。

細目のほうが作業しやすいです。

 

2.必要な工具

 

今回の制作に必要なのは、ハンダ付け用工具と、ドライバー、穴あけなどの工具です。

必要な工具と使い方はこちらをご覧ください。

・ 電子工作に必要な工具の種類と使い方 【ハンダ付け編】 【ワイヤー処理編】 【測定編】 【穴あけ編】

 

また、カバーの取り付けには、6角レンチ(2mm)が必要です。

 


 

それでは、組み立て作業を開始します。

 

3.AC/DC電源基板キットの組み立て

 

こちらの組み立て方については、以下のリンクを参照してください。

・LVモジュール組み合わせ 1.USB-DAC (1)必要な部材・工具とAC/DC電源基板キットの組み立て

3.AC/DC電源基板キットの組み立ての内容となります。

 

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こちらが完成した状態です。

 

4.リアパネルの加工と電源回路の取り付け

 

こちらの組み立ても以下のリンクを参考にしてください。

 ・LVモジュール組み合わせ 1.ハイレゾ対応USB-DACの製作 (3)リアパネルの加工と電源回路の取り付け

 

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テーパリーマでなくてもやすりでも加工できます。

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プリアンプ部の穴は塞ぎません。RCAジャックの残り2穴だけ塞ぎます。

【訂正】申し訳ありません。プリアウトは左右が逆ですね。反対にしてください。

 

1.ハイレゾ対応USB-DACの製作 (3)リアパネルの加工と電源回路の取り付け の手順どおり、トランスとAC/DC電源基板を取り付けて

テスターで電圧の確認まで行ってください。

※電源に搭載するヒューズは1Aのものを使用してください。 

 

USB-DACを取り付ける前に、最新のファームウエアにアップデートしましょう。

Combo384のファームウエアアップグレード方法

 

5.組み立て

 

①USB-DACとヘッドホンを取り付けます。

 

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プリアンプ基板は、オスーメスのスペーサー(10mm)で下から止めてその上にメスーメスのスペーサー(20mm)を取り付けます。

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USB-DAC基板を取り付けるスペーサーの1ヶ所(赤丸)は菊座金(ギザギザワッシャー)を入れてシャーシアースを取ります。

 

 

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微妙なサイズ違いのスペーサーがありますので注意してください。左(5mm)は今回使用しません。真ん中(6mm)はヘッドホン用,右(8mm)はシステムマイコン基板用です。

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ヘッドホン基板は、スペーサー(6mm)をM3×4mmのネジで取り付けます。
また、フット(足)のネジが端子に干渉する事がありますので、その時は端子をカットしてください。


②プリアンプとRCAジャックの配線処理

 

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シールド線を写真のように加工します。

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PRIOUTにシールド線をハンダ付けします。 内側のGND2本は共通ですのでこのようにまとめてハンダ付けしても問題ありません。

 

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シールド線は、写真のようにホットメルトなどで固定したほうが安心です。

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RCAジャックにハンダ付けします。ここは、熱収縮チューブでガードします。

 

③システムマイコン基板を取り付けます

 

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スペーサー(8mm)を取り付けて、フロント側にネジ止めします。全てM3×5mmを使用

 

④配線します。

 

今回は、配線用ワイヤーの数が多いので注意して作成してください。

 

ワイヤー番号名称接続先1接続先2ピン数長さ
W1 5V電源1 AC/DC電源基板 CN6 USB-DAC基板 CN4 2 200mm
W2 5V電源2 AC/DC電源基板 CN7 システムマイコン基板 CN1 2 200mm
W3 ±12V電源1 AC/DC電源基板 CN3 プリアンプ基板 CN10 3 200mm
W4 ±12V電源2 AC/DC電源基板 CN4 USB-DAC基板 CN3 3 200mm
W5 DACコントロール USB-DAC基板 CN5 システムマイコン基板 CN7 4 200mm
W6 DAC出力 USB-DAC基板 CN1 プリアンプ基板 CN1 4 100mm
W7 メーター用 プリアンプ基板 CN8 システムマイコン基板 CN4 3 200mm
W8 ボリューム プリアンプ基板 CN3 システムマイコン基板 CN8 4 200mm
W9 セレクター プリアンプ基板 CN2 システムマイコン基板 CN5 4 300mm
W10 ヘッドホン プリアンプ基板 CN7 ヘッドホン基板 CN1 4 300mm
W11 USBコントロール プリアンプ基板 システムマイコン基板 CN3 4 300mm
W12 CSDショート システムマイコン基板 CN6 無し(1-3ピンショート) 1 100mm

※説明書に記載されているワイヤーナンバーとは全く違います。

 

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W1を配線した状態です。プリアンプ基板はUSB-DAC基板へ配線しやすいようにはずしてあります。

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W1-W11まで配線した状態です。

 

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W12は、システムマイコンがパワーアンプのエラー検出を防止するためのものです。
1PIN-3PINをショートします。

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システムマイコン基板の CN6に挿入します。

 

⑤最終組み上げ

 

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ワイヤーをタイバンドなどで整形して、フロントパネル(表示窓フィルターを両面テープなどで固定)、フットをつければ、完成です。
最後にトップカバーを閉めてください。

 

6.動作確認

 

ハイレゾ音源の再生など、パソコンの設定などに関しては、こちらを参考にしてください。

LVのUSB-DACを使用したPCでの音楽再生方法【Update! windows10対応】

 

①まずは、アナログ入力から確認します。

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INPUT-1に入力してボリュームを上げた時の状態です。
メーターが振れて、音がでれば正常動作しています。
これは、フロントパネル取り付け前に確認しました。

 

②パソコンを接続して再生してみましょう。

 

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USB-DACから再生している状態です。

 

③DSD再生も確認しましょう。

 

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USB DSDという表示に変わります。

 

<ワンポイントアドバイス>
付属のリモコンは、LV2.0 Premiumと同様に使用が可能ですが、PHONE(ヘッドホンのみに切り替え)は動作しません。

また、今回の方式は、プリアウト出力とヘッドホン出力が同じオペアンプ出力を使用しているために、ヘッドホンを差すと
プリアウト出力が低下してしまう事があります。同時に使用しないで、プリアンプとして使用する際はヘッドホンを抜いておけば問題無いのですが
気になる方は、ヘッドホンも高音質で再生できて同時使用も可能なヘッドホンアンプキットをお勧めします。

 

ヘッドホンアンプキット LV2-HPAM-KIT 作成方法

 

7.測定

 

正弦波を入力して出力波形を測定しました。

まずは、INPUT-1に正弦波信号を入力して出力と比較します。

アンプの設定は、Volume 0dB設定です。

 

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1KHzです。黄色が入力青が出力 960mVrms入力で920mVrms出力となっています。

入力に対してゲインダウンは、0.37dB程度です。

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1KHz 1.84Vrms入力時出力も1.84Vrmsでゲインダウンはありません。

 

 

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40KHz入力時 1.84Vrmsに対して1.76Vrmsです。ゲインダウンは-0.39dBです。

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80KHz入力時 入力レベルも落ちて1.60Vrmsです。その時の出力が1.52Vrmsです。

入力に対するゲインダウンは、0.45dBです。ほとんどフラットという事です。

 

 

次にUSB-DACでパソコンから信号入力した場合です。

設定は正弦波の0dBにしています。

 

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1KHz入力時 ちょうど2Vrms出力になっています。

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20KHz入力時 1.92Vrms出力 0.35dBゲインダウンしています。

 

 

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40KHz入力時 1.68Vrms出力です。1.51dBゲインダウンです。

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80KHz入力時 1.16Vrmsです。ゲインダウンは4.74dBです。

 

このあたりの落ち方は、DACの性能なんでしょうかね。

ちなみに、DACのfilter特性ROLL-OFFをSLOWに設定すると、

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80KHzはこのような波形になります。

 

それでは、お好みのパワーアンプに接続してハイレゾサウンドをお楽しみください。

 

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<関連記事>

 

LVモジュールを使ったオリジナルアンプの組み合わせ

・LVモジュール組み合わせ 1.ハイレゾ対応USB-DACの製作

 (1)必要な部材・工具とAC/DC電源基板キットの組み立て 

 (2)フロント基板の製作 

 (3)リアパネルの加工と電源回路の取り付け

 (4)USB-DACの取り付けとモジュール間の配線

 (5)完成したUSB-DACを動作させる

・LVモジュール組み合わせ 2.USB-DAC+ヘッドホンアンプ

・LVモジュール組み合わせ 4.プリアンプ

・LVモジュール組み合わせ 5.フォノイコライザー内蔵プリアンプ

・LVモジュール組み合わせ 6.パワーアンプ

(1)入力バッファーと電源イルミネーションの製作

(2)組み立て、動作確認

・LVモジュール組み合わせ 7.フォノイコライザー内蔵アンプ

 

<参考記事>

 

・オーディオアンプキット LV-2.0MINI(LV2-KIT-MINI) 組み立て方法 その1:準備編

・オーディオアンプキット LV-2.0MINI(LV2-KIT-MINI) 組み立て方法 その2:組立編

・LV2.0シリーズ 音質改善 その1 その2 その3

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