◎周波数カウンタ
最近は安価なデジタルテスタでも周波数カウンタ機能がある機種があります。写真1はその製品例で、タイマーIC 555などの発振周波数確認に利用できます。また、写真2は専用の周波数カウンタの製品例です。555などでの発振周波数確認は写真1のデジタルテスタで十分ですが、さらに周波数精度を求めたい場合は写真2のような周波数カウンタを用います。表示できる桁数は機種により異なり、桁数が多いほど正確な周波数を知ることができます。
周波数の測定方式は色々あります。写真の製品でも方式が異なります。また、マイコンを用いても周波数カウンタ機能は実現できます。今回は原理を学習する目的で簡単な方式とし、汎用ロジックICのみで構成した周波数カウンタを製作しましたので紹介します。
◎測定原理
・基準時間内でのパルス数をカウントする 「この信号の周波数は100Hzですね」と普段なにげなく言っていますが、周波数の定義は1秒間における波の繰り返し回数のことです。家庭用のAC100Vは50Hzまたは60Hzですがこの場合、正弦波の繰り返し回数が50回または60回あるということです。正弦波でなくても例えば図1のようなデジタル波形でも繰り返し回数になるわけですが、この場合、パルス数を数えることになります。図1ではパルス数が1秒間に5個ありますから、これは5Hzです。あるいは、パルス数が12000個あったとすればこれは12000Hz(12KHz)です。 このように繰り返し回数またはパルス数を数えるのが周波数カウンタです。つまり、基準時間(1秒)内におけるパルス数が周波数です。
・ゲートで信号を取り出す 入力信号(パルス)は図1のように連続しています。この中から基準時間内だけ信号を取り出す方法として図2のようにゲートを用います。A入力に信号、B入力に基準信号を加えます。ANDゲートはA、B入力が両方Hの時、出力YがHになります。 したがって、B入力がLの時、A入力の状態(H/L)によらず出力YはLです。つまり、B入力がHの期間(区間)ではA入力の信号がそのまま出力Yに現れます。 この例では出力Yにパルスが5個ありますから、5Hzということです。また、基準時間(ゲート)は1s(秒)以外に1ms、10ms、100msなどでも良く、例えば1msの基準時間内に5個のパルスがあればこの時の周波数は5KHzです。
◎原理ブロック図とタイミング
図3に原理ブロック図を示します。ゲートに測定信号と基準信号を加えて基準信号時間内のパルス数をカウントする周波数カウンタをダイレクト・カウンタ(方式)と言います。
▼つづきはこちらからご覧下さい
1)測定原理と仕様検討編 http://select.marutsu.co.jp/list/detail.php?id=131
2)設計編 その1 http://select.marutsu.co.jp/list/detail.php?id=136
3)設計編 その2 http://select.marutsu.co.jp/list/detail.php?id=137
4)設計編 その2 http://select.marutsu.co.jp/list/detail.php?id=138
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