今回はESP-WROOM-32というモジュールを紹介します。低価格であるにもかかわらず機能が豊富ということで、すでに大きな話題になっています。
ESP-WROOM-32は、上海のファブレス企業であるEspressif Systemsが開発したWi-FiとBLE通信が可能な無線通信モジュールです。
ArduinoのWi-Fi接続用として好評だったESP-WROOM-02の後継製品になります。技適認証も取得済みなので安心して使用できます。
ESP-WROOM-32に使用されているSoCはESP8266からESP32に変更されており、CPUがシングルコア80/160MHzのXtensa L106からデュアルコア160/240MHzのXtensa LX6になりました。また、SRAMが160KBから520KBに拡張されて、使い勝手に余裕ができました。
さらに、Wi-FiだけではなくBluetooth4.2(BLE)による通信も可能になり、静電タッチセンサやD/Aコンバーターなどの入出力機能も追加され、GPIOとして利用できるピン数も増えています。
ESP-WROOM-02も安価だったため、Arduinoに接続する通信モジュールとして使用することが多かったのですが、ESP-WROOM-02にArduinoのプログラムを書き込んでArduinoとして使用することができました。同様に、ESP-WROOM-32も単独でArduinoとして使用することができます。そのための開発環境としてArduinoIDEを使用することができますが、ESP-WROOM-32にはESP-IDFという本来の開発環境が用意されており、これを使用するとESP32のすべての機能を活用することができるようになります。Arduinoには豊富な資産があるので、どちらを使用するか悩むところですが、これはユーザーにとっては嬉しい選択だと思います。
Raspberry Piの場合は無線LAN接続で悩む必要はありませんが、Arduinoの場合は無線LAN接続のためにシールドなどを別途、購入するとRaspberry Piよりも高価になってしまいます。それを考えるとESP-WROOM-32は画期的といえる製品です。
この機会に是非、IoTの無線LANにチャレンジしてください。
●ESP-WROOM-32無線モジュールの主な仕様
電源電圧 |
2.2~3.6V(推奨電圧3.3V) |
消費電流 |
80mA(typ) |
メモリ |
520KB SRAM、4MBフラッシュ |
無線接続 |
IEEE802.11b/g/n、Bluetooth4.2(BR/EDRとBLE) |
センサ |
静電容量タッチセンサ×10、温度センサ、ホールセンサ |
インターフェース |
GPIO×21、18ch12ビットSAR ADC、8ビットDAC×2、SPI×2、 I2S×2、I2C×2、UART×3、モータ用PWM、LED用PWM、 SDカード(SDIO)、IR、ローノイズプリアンプ |
5μAのディープ スリープ機能 |
ウェイクアップ(GPIO割り込み、タイマー、ADC、 タッチセンサからの割り込み) |
セキュリティ |
WPA/WPA2/WPA2-Enterprise/WPS |
暗号化 |
AES/RSA/ECC/SHA |
サイズ |
18×25.5×2.8mm |
動作温度範囲 |
-40~+85℃ |
Wi-Fi+BLEモジュール 【ESP-WROOM-32】 640円 |
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