マイコン

オンチップデバッギングエミュレータ兼フラッシュプログラマ ルネサス社「E2エミュレータ」のご紹介

 エミュレータは何をするのか?といえば、CPUの代わりをします英語のemulateは真似をするという意味です。オンチップ・エミュレータは、組み込み機器の開発において、ボードにマイコンを実装したまま、レジスタの内容などを確認しながらプログラムのデバッグを行うことができますホストとするパソコンからの操作に応じて、マイコンとエミュレータが通信を行い、内部のレジスタやメモリなどのデバイス情報を取得したり、内容を変更したりすることができます。

 ルネサスエレクトロニクス社のE2エミュレータはE1エミュレータの後継機種です。ルネサス社のエミュレータは、E7、E8、E8aと機能向上が図られてきましたが、E2エミュレータは開発時間を削減させることが最大の改善点になっています。例えば、マイコンとエミュレータ間の通信速度が高速化され、フラッシュ書き換えとデータ通信を並列化することにより、制御プログラムのダウンロード速度がE1エミュレータに比べて最大2倍になりました。

 また、CAN通信で問題が発生したときに、受信タイミングと割り込み応答処理を同時に記録・表示できるようになり、エミュレータのみでCAN通信とプログラム実行のトレース解析が可能になりました(RH850ファミリ向け)。さらに、制御系電源において消費電流のピークを検出したり、電流値が指定のレベルを一定時間超えるとプログラムを停止させたり、プログラム動作と消費電流を対応させて表示することができます(RL78ファミリ向け)。

  そのほか、E1エミュレータではホットプラグイン機能を使う際、別売オプションのホットプラグアダプタが必要でしたが、E2エミュレータでは不要です。ホットプラグイン機能とは、動作中のシステムに異常が発生したときに、動作したままエミュレータを接続してデバッグする機能です。

  これらの改善により、組み込みソフトウェアの開発時間を従来に比べて10分の1程度に削減することが可能になります。

  E2エミュレータが対象とするマイコンはRH850ファミリ、R-Car D1、RL78ファミリですが、RXファミリへの対応も予定されています。

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●E2エミュレータの主な仕様
・デバッグ用ソフトウェア:CS+コンパイラパッケージ、e2 studio、IAR Embedded Workbench、GreenHills Multi
・フラッシュ書き込み用ソフトウェア:Renesas Flash Programmer
・PCとの接続:USB2.0 FS/HS
・システムとの接続:付属のユーザインターフェースケーブルを使用
・電源電圧:対象マイコンの動作電圧範囲(1.8~5.5V)
・電源供給能力:最大200mA(1.8V~5.0V)
・外形寸法(突起部を除く):105.9×64.0×19.5mm

 

●E2エミュレータのパッケージ内容
・E2エミュレータ本体
・USBインターフェースケーブル
・ユーザインターフェースケーブル(20ピン1.27mmピッチコネクタ)
・変換アダプタ(E2用20ピン→E1用14ピン変換)
・テストリード

 

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