RaspberryPi & シングルボードコンピュータ

基本機能の充実と安定性の向上で産業用途にも対応した「Raspberry Pi 3 Model B+」好評発売中!

 新製品として発表されたのは今年の3月14日でしたが、技適証明取得の関係で発売が遅れていた「Raspberry Pi 3 Model B+(プラス)」が、いよいよマルツエレックにおいても販売を開始いたしました。

 これまでのRaspberry Piは、使用目的が教育用ということもあって、市販製品に組み込んで使用することは重要視されていませんでした。そのため、電源が不安定であることや製品供給の問題、動作温度範囲が保証されないという不安がありながらも、高性能と低価格という魅力のため産業用途で使用される例が増えていました。

 そこで、Raspberry Pi 3 Model B+では基本機能の充実に加えて、少なくとも2023年1月までは安定して供給されることと、動作温度範囲の目安が0~50℃であることなどが公表されました。

 

■Raspberry Pi 3 Model Bからの変更点

 SoCの型名は、BCM2837からBCM2837B0になっています。クロック速度が1.2GHzから1.4GHzに上がっていますが機能の変更はありません。ただし、パッケージがプラスチックから金属になり、ヒートシンクも付属しているので熱対策が改善されています。

 無線LAN/Bluetoothチップは、BCM43143からCypress社のCYW43455に変更されています。これはBroadcom社の無線チップ部門がCypress社に売却されたことによるものです。仕様も改善され、無線LAN機能はIEEE802.11b/g/n(2.4GHz)からIEEE802.11ac/b/g/n(2.4GHz/5GHz)に、Bluetoothバージョンは4.1から4.2にアップグレードされています。

 有線LANチップは、最大100MbpsのLAN9514から最大1GHzのLAN7515に変更されて高速になっていますが、インターフェースがUSB2.0なのでスループットは最大でも300Mbpsになります。

 注目される変更点はPower over Ethernet(PoE)に対応したことで、拡張ボード(PoE HAT)を使用して有線LANケーブルによる電源供給が可能になりました。これにより、電源のない場所での使用やSDカードなしでのネットワークブートができるようになります。

 そのほかには、USBストレージからシステムを起動できるUSBブートにデフォルトで対応したことや、電源周りの回路設計が変更されMaxLinear社の電源管理用ICであるMxL7704を採用して部品点数を大幅に減らしたことなどがあります。MxL7704は、SoCと通信して電源管理や温度管理ができるので、電源の安定性が大きく向上しました。

 上記以外の基本仕様に変更はありません。サイズや重量も変更されていないので、これまでのRaspberry Pi 2B/3B用のケースやアタッチメントはそのまま使用できます。ただし、PoE HAT用に4本のピンヘッダが追加されているので、これが邪魔になることがあるかもしれません。

 

Raspberry Pi 3 Model B+ 
【RASPBERRYPI3MODELB+】 4,980円

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