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今回は、その中からBluetooth Low Energy(BLE)を拡張させる新しい機能であるBluetoothメッシュに関する解説記事
■Bluetoothメッシュを使用したBluetooth Low Energyスマートアプリケーションの設計(第1部)
の概要をご紹介します。
Bluetoothは近距離の1対1の通信を行う規格として登場しましたが、対応する製品が増えて普及が進むにつれて応用範囲が拡大されています。2016年12月に発表された最新の仕様であるBluetooth5では、近距離ではデータレートが従来の2倍、データレートは下がりますが通信距離は最大4倍程度まで拡張されています。そして、2017年7月にはBluetooth Meshという仕様が公開されました。これは、1対1ではなく多対多の通信を行うための規格です。例えば、1台のスマートフォンで家の中にある数多くの照明器具やスイッチなどを制御しようとすれば、1対1の通信では非常に不便です。遠くにあるスイッチなどには電波が届かないかもしれません。
ネットワークの構成には、中心にハブ置いて放射状に機器を接続するスター型、機器を輪のようにつなぐリング型、網の目のように格子状に接続するメッシュ型などがありますが、Bluetoothメッシュはその名の通り、メッシュ型のネットワークを構成します。データは接続された機器間をバケツリレー方式で伝達されるので、従来のBLEよりも遠くまで届けることができます。
【アプリケーションラボ】の技術解説では、第1部と第2部の2回に分けてBluetoothメッシュについて詳しく解説しています。第1部ではBluetooth mesh 1.0プロトコルのアーキテクチャと機能について、また第2部ではBluetoothメッシュをBluetooth Low Energy設計に統合する方法について説明しています。
BluetoothメッシュはBluetooth Core Specificationの補完仕様であるため、BluetoothメッシュをサポートするためにBluetooth Low Energy(BLE)の物理レイヤ(PHY)やソフトウェアスタックを更新する必要はありません。4.0、4.1、4.2、5のどのハードウェアでも、ファームウェアをアップグレードするだけでBluetoothメッシュを実行させることができます。
Bluetoothメッシュに対応した開発環境は、Nordic Semiconductor社やSilicon Labs社、STMicroelectronics社などから提供されています。【アプリケーションラボ】の解説は、Nordic Semiconductor社のnRF5 SDK for Meshを使用して説明していますが、この開発キットはドライバやライブラリ、サンプルなどを選択でき、いくつかの統合開発環境(IDE)およびCMakeやSEGGER Embedded Studioなどのコンパイラで動作する設計になっています。
ここで紹介されている製品は、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
BLE SoC nRF52832開発キット 【NRF52 DK】 5,209円 |
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