「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、人物検出やジェスチャー認識、さらにはドローンの衝突防止などに応用されている距離を測定するToFセンサについて解説した記事をご紹介します。
■ToFセンサを使用した距離測定とジェスチャ認識の基礎
最近ではIoT機器やドローン、ロボットなどの普及により、距離センサの重要度が増しています。それらの機器では、対象物に触らずにその存在や対象物までの距離を感知する必要がありますが、その距離センサとしてToFセンサが注目されています。ToFセンサは、MicrosoftのXBox用のKinectコントローラに採用されてコストダウンが図られ、急速に応用が広がりました。
ToF(Time-of-Flight)は飛行時間という意味で、パイロットの熟練度を示す際にも使われますが、ここではセンサから発射された音波や光が対象物で反射して返ってくる時間のことを意味します。ToFセンサには超音波を使ったものもありますが、気流や周囲光、反射性などに影響を受けないため赤外光による方式が主流になっています。
ToFセンサで距離を測定する原理は、光は波の性質を持っているので、入射光と反射光の位相差を測定して時間差に変換し、光速度をかけて距離を算出します。
【アプリケーションラボ】の技術解説では、STMicroelectronics社のToFセンサを取り上げて、性能や使い方について詳しく解説しています。STMicroelectronicsは、赤外線垂直キャビティ、面発光レーザー、単一光子アバランシェフォトダイオードなどの最先端の技術を使用した近接測定用のToFセンサを開発しています。現在、VL6180X、VL53L0CX、VL53L1CXの3種類のToFセンサがあり、これらはI2Cインターフェースを介して、1mmの解像度でホストプロセッサに測定値を送ることができます。
VL53L1CXが最新のデバイスで、4mまでの距離を測定することができます。VL53L1CXには、STM32F401RE Nucleo評価ボードとVL53L1CXブレークアウトボードで構成された評価キットP-NUCLEO-53L1A1が用意されています。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
近接測定用ToFセンサ 【VL6180XV0NR/1】 888円 |
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近接測定用ToFセンサ 【VL53L0CXV0DH/1】 1,104円 |
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近接測定用ToFセンサ 【VL53L1CXV0FY/1】 1,002円 |
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VL53L1CXセンサ評価ボード 【P-NUCLEO-53L1A1】 7,372円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。 ■高度な圧力センサにより小型IoT設計の精度と分解能を向上 圧力センサの精度が向上し応用範囲が広がっていますが、ここでは圧力センサ回路を設計する上で考慮すべき事項と最適なソリューションを紹介しています。
■ロータリエンコーダを使用して機械的回転をデジタル信号に素早く変換する方法 ロータリエンコーダは、回転を測定するセンサです。ここではロータリエンコーダの役割とその仕組み、ロータリエンコーダの応用例などを紹介しています。
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