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RX72Tマイコンの評価/開発用スターターキット「Renesas Starter Kit for RX72T」好評発売中!

 今回は、ルネサスエレクトロニクス社の新しいマイコン「RX72T」の評価キット「Renesas Starter Kit for RX72T」をご紹介します。ルネサス社の新規32ビットマイコンの開発は、現在はRenesas Synergy™シリーズとRXマイコンシリーズに絞られています。

 RX72Tは、昨年発表されたRXの第3世代となる32ビットCPUコア「RXv3」を搭載したCISCマイコンです。200MHzで動作し、5V動作マイコンとしては最高レベルの1160CoreMarkという性能を実現しています。RXv3コアを搭載したマイコンとしては、RX66T(160MHz)に続く第2弾で、RX72Tは上位互換製品になります。

 ちなみに、CoreMarkは、CPUコアのベンチマークを行うために業界団体のEEMBCが開発したプログラムです。ほとんどのプロセッサがCoreMarkスコアを公開しているので、CPUの性能を比較しやすくなっています。周波数を考慮した実時間性能を測定したものを「CoreMarkスコア」、1サイクルあたりの命令実行性能を測定したものを「CoreMark/MHzスコア」といいます。

 RX72Tは、産業用ロボットなどのモータ制御を主な用途として開発されました。産業用ロボットなどの複雑な動きを実現するためには、モータの位置、方向や速度、トルクを高精度に制御する必要があり、サーボモータとサーボドライバが対になったサーボシステムが必要になります。RX72Tは、位置制御と速度制御を高速演算する専用アクセラレータを搭載しているので、ユーザは独自のサーボシステムを開発することが可能になります。専用アクセラレータでは、ソフトでは時間のかかる三角関数演算とレジスタの一括退避(割り込み処理の高速化)をハードウェア化しています。

 Starter Kitには、LCDディスプレイモジュールとオンチップデバッギングエミュレータE2 Lite(E2エミュレータLite)が同梱されています。評価ボードにはUSBを1チャネル搭載しており、ホストやファンクションの評価が可能で、CANやI2C、SCIなどの通信機能の評価もできます。そして、統合開発環境をルネサスエレクトロニクス社のWebページからダウンロードできるので、すぐにRX72Tの評価を始められます。また、サンプルコードをWebサイトからダウンロードできるので、プログラミングの参考に使用することができます。

 

【Renesas Starter Kit for RX72Tの仕様】
・搭載デバイス:RX72T(R5F572TKCDFB)、暗号機能なし、200MHz、144ピン)
内蔵メモリ:ROM 1MB+32KB、RAM 128KB+16KB
・オンボードメモリ:I2C EEPROM 2Kビット
・電源電圧:5V
・プッシュスイッチ:リセットスイッチ×1、ユーザスイッチ×3
・ポテンショメータ:単回転タイプ(10kΩ)
・LED:電源用(緑×1)、ユーザ用(緑×1、橙×1、赤×2)
・CANコネクタ、LINコネクタ、USBコネクタ
・USB-シリアル変換インターフェース
・Pmodコネクタ:アングル型12ピン、ストレート型12ピン
・拡張基板インターフェース

 

Renesas Starter Kit for RX72T(E2 Lite付き)
【RTK5572TKCS00000BE】 47,800円

 

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