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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「IEC62368-1への移行の準備:ICTおよびAV機器向けの新しい製品安全規格」

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 今回は、新しい製品安全規格IEC62368-1の発効日である2020年12月20日が近づくにつれて、各企業はその対策をどのように行えばよいかについて解説した記事をご紹介します。

■IEC62368-1への移行の準備:ICTおよびAV機器向けの新しい製品安全規格

 IEC62368-1は、人体への傷害などを防ぐ「ハザードベースセーフティエンジニアリング(HBSE)」という新しい概念が導入された製品安全規格です。従来は、「IEC60950-1(情報通信機器向け安全規格)」と「IEC60065(AV機器向け安全規格)」という2つの安全規格が採用されてきましたが、IEC62368-1がこれらに置き換えられることになります。新規格は、欧州では2014年2月に、北米では2014年12月に、日本では2018年に発行されています。新規格の発行に伴い、旧規格は2019年6月20日に失効期限を迎えましたが18ヵ月延長され、2020年12月20日まで有効となりましたが、それ以降はすべての製品が新規格に対応する必要があります。

 IEC62368-1規格では、人体に危険を及ぼす危険を、種類とクラスで分類しています。種類はES(電気的エネルギ源)、PS(電力源)、MS(機械エネルギ源)、TS(熱エネルギ源)、RS(放射エネルギ源)に分けられ、クラスは人体に与える障害の度合いにより、クラス1、クラス2、クラス3に分けられています。上図は、電気的エネルギ源をES1、ES2、ES3として分類されたものです。

 HBSEの考え方は、従来行われてきた厳密な安全基準を遵守することに重点を置くのではなく、安全設計の背後にある技術的原則を理解することです。開発者は、製品設計段階で安全の概念を取り入れた設計を行うことで、後で製品が不適合となって手直しが必要となるような回数を減らすことが可能になります。また、新しい技術が生まれてきたときに安全基準を見直す必要もなくなります。

 【アプリケーションラボ】の解説記事は、IEC62368-1に移行する準備をどのように行えばよいか詳しく解説しています。是非参考にしてください。

 

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