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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「IMU:オンボードの機械学習によりホストのスリープ状態を維持可能」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、STMicroelectronics社のモーションセンサを使用して、電池駆動が可能な低消費電力で位置情報を取得するシステムを実現する方法について解説した記事をご紹介します。

■IMU:オンボードの機械学習によりホストのスリープ状態を維持可能

 慣性測定ユニット(IMU)は、運動を司る3軸の角度(または角速度)と加速度を検出する装置で、加速度センサやジャイロセンサ、磁気センサを1つのデバイスに統合して構成され、高精度で位置情報が得られます。IMUは、携帯電話やウェアラブルデバイスに搭載されるようになっていますが、ロボットや自動車などの挙動を計測/制御する際にも使用されます。

 IMUを使用するシステムにおいて、ホストプロセッサの消費電力は比較的大きいので、ホストプロセッサを実行させたまま慣性測定ユニット(IMU)で位置情報を測定したり、IMUデータから動きやジェスチャを検出したりすることは、電池駆動のシステムでは実現が困難です。しかし、STMicroelectronics社のLSM6DSOは、機械学習を利用して必要に応じてホストプロセッサをウェイクアップさせる機能があり、システムの消費電力を大幅に減らすことが可能になります。

 LSM6DSOは、高精度かつ高効率で常時動作可能な3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサを集積した6軸モーションセンサです。9KBのFIFOが搭載されており、同等のセンサよりも大容量のデータを保存することができます。データ伝送の高速化とアクセス頻度の低減を行うことで、プロセッサのスリープ時間を延長し、システムの消費電力を低減することができます。加速度の測定範囲は±2~±16gで、角速度の測定範囲は±125~±2000dpsです。

 LSM6DSOには、信号コンディショニングとフィルタブロック、16個のプログラムを実行可能な有限ステートマシン(FSM)および機械学習コアが含まれています。FSMは16個の独立したプログラムを同時に実行してモーションを検出でき、あらかじめプログラムされたパターンとの一致を検出すると、FSMはホストプロセッサへの割り込みを生成します。また、機械学習コアは、静止(動きなし)、ウォーキング、ジョギング、自転車、ドライブなどのイベントクラスを複数のセンサから得られるデータを使用して識別することができます。

 【アプリケーションラボ】の解説記事は、STMicroelectronics社のLSM6DSOを使用して、リアルタイムの位置や動きの処理をホストプロセッサからオフロードする方法と、これらの機能を実際のアプリケーションで使用する方法について解説しています。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

 

6軸モーションセンサ
【LSM6DSOTR】 630円

 

下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。

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