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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「すぐに入手可能なIEEE802.3btソリューションを使用した高電力PoEにおける設計」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、LANケーブルで電力を送るPoEの最新仕様IEEE802.3btの詳細とこの仕様を満足するLinear Technology社のLTC4291-1/LTC4292チップセットについて解説した記事をご紹介します。

■すぐに入手可能なIEEE802.3btソリューションを使用した高電力PoEにおける設計

 PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブルを利用して電力を供給する技術です。PoEは2003年6月にIEEE802.3afとして標準化されましたが、供給できる電力は最大15.4Wでした。しかし、2009年に承認されたIEEE802.3atでは最大30Wに、2018年に承認された IEEE802.3btでは最大60W(一部のアプリケーションでは最大90W)の電力を供給できるようになりました。IEEE802.3atはPoE+、IEEE802.3btはPoE++(高電力PoE)と呼ばれています。

 高電力PoEでは、PD(受電機器)がケーブルから切断された場合に電源をオフにする安全な方法が定義されています。高電力PoEの仕様では、高電力の供給が可能になるだけでなく、 「自動クラス機能」、「低スタンバイ電力サポート」、「チャンネル(ケーブル)長が既知である場合の拡張電力機能」といった新しい機能も導入されました。 自動クラス機能は、PDがPSE(給電機器)に対して有効な最大消費電力を通信する機能です。また、低スタンバイ電力サポートはPoEやPoE+でも実現可能でしたが、PSEが電力を維持するのに使用される最小パルス電流の持続時間が大幅に少なくなる仕様になっています。 そして拡張電力機能は、PDがケーブル抵抗を測定して電力損失を計算し、PDが受けるのに必要な電力余裕を計算することができる機能で、省エネにつながります。

 【アプリケーションラボ】の解説記事では、より複雑になった高電力PoEの起動シーケンスについて詳しく解説し、高電力PoEの仕様に適合するコントローラとしてLinear Technology社のLTC4291-1/LTC4292チップセットの機能と使い方などを紹介しています。 LTC4291-1/LTC4292は、IEEE802.3btタイプ3/タイプ4対応のPoEシステム用に設計された4ポート給電装置(PSE)コントローラです。チップセットにより電気的に絶縁されているので、フォトカプラや絶縁型3.3V電源が不要になりコストダウンが図れます。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

 

4ポートIEEE802.3bt PoE PSEコントローラ
【LTC4291IUF-1#PBF】 729円
4ポートIEEE802.3bt PoE PSEコントローラ
【LTC4292IUJ#PBF】 1,869円

 

 下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。

■奥深いオーディオジャックのスイッチと構成
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■マイクロコントローラのプログラムメモリの拡張にSPI XiPフラッシュを使う理由とその方法
 IoT機器などでアプリケーションが複雑さを増すにつれ、大容量のメモリが必要になるケースが増えてきました。ここではそのような場合に、Adesto TechnologiesのSPI eXecute in Place(XiP)インターフェース対応の外付けシリアルフラッシュメモリを使用して、効果的にマイコンの外部にフラッシュメモリを拡張する方法について解説します。

 

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