オーディオ
LVモジュール組み合わせ 7.フォノイコライザー内蔵アンプ (レコードプレーヤー対応 LV-2.0アンプ改造方法)
今回は、LV-2.0のアンプをレコードプレーヤー対応に改造する方法を紹介します。
Linkmanでは、フォノイコライザーを発売していますが、LV-2.0のアンプに外付けしなければならず、電源も別に必要で
少々不便ですし、ケーブルも引き回すので、音質も気になるところです。
そこで、このフォノイコライザーをLV-2.0のアンプに内蔵してしまい、電源もアンプの電源を使用してすっきりしたアンプを
作ってみようと考えました。
LV-2.0のアンプの構造上、プリアンプ基板の上下どちらかにしか配置ができないので、LV-2.0BASICかMINIを改造する
方法を紹介します。もちろんPremiumのUSB-DACをはずして組み替えてしまう方法もあります。
1.準備するもの
名称 | 品番 | 数量 | |
---|---|---|---|
1 | LV2.0 アンプキット ※1 | BASICまたはMINI | 1 |
2 | Linkman製フォノイコライザー ※2 ★販売終了品です | LV2-PE-KIT | 1 |
3 | LV用リアパネル【LVX-RP1】 | LVX-RP1 | 1 |
4 | スペーサー10mmオスーメス ※3 | BSB-310E | 1 |
5 | コネクターベース 3P ※4 | B3B-PH-K-S | 4 |
6 | コネクターハウジング 3P ※5 | PHR-3 | 1 |
7 | LV汎用配線セット【LVX-WIRE-SET】 ※6 | LVX-WIRE-SET | 1 |
8 | 1芯シールドケーブル 富士電線 | MVVS 0.5 | 1m |
※1今回はMINIを改造する方法を紹介します。
※2ケースは必要ありません。
※3シャーシとフォノイコライザーを止めるのに必要です。
※4使用していないコネクタを流用する場合はいりません。
※5ワイヤーアッセンブリが必要です。汎用配線セットの中に含まれています。
※6ワイヤーアセンブリやコネクターハウジングなどが一式揃っているので便利です。
必要な工具とその使い方について説明しています。制作時の参考にしてください。
・ 電子工作に必要な工具の種類と使い方 【ハンダ付け編】 【ワイヤー処理編】 【測定編】 【穴あけ編】
2.リアパネル加工
準備物は以下のとおりです。
★スペーサー20mmは、BASIC、MINIのプリアンプ用のものが流用できます。 10mmだけ用意してください。
★コネクターベース 3Pも、プリアンプの未使用のコネクターをはずして流用できます。
フォノイコライザーは、PremiumのUSB-DACの場所(プリアンプの下)に取り付けます。したがってスタッドを使って2段にします。
BASIC、MINIのリアパネルは、プリアンプの穴位置がセンターにあるのでうまく取り付けできません。
このように、イコライザーを10mmのオスネジスペーサーで取り付けてその上にプリアンプを20mmのスペーサーで取り付けます。
電源基板は写真のようにフロント側に移動させてください。この位置に別売りのヘッドホンアンプを配置している方は、ヘッドホンアンプを左側(アンプ側)に移動させてください。
【訂正】上の写真では、MM型の設定C1,C2がPIN1-14間に入っていますが、正しくはPIN2-13間です。
基板を仮止めしてリアパネルを当ててみます。
このようにUSB-DACのUSB端子の穴があいていますが、イコライザーのRCA端子2か所とアース端子1か所を穴あけします。
穴あけの位置です。
加工後の写真です。
組み上げるとこのようになります。
穴のまわりは、薄いプラスチック板などで塞ぎました。
3.フォノイコライザー改造
次にフォノイコライザーを改造します。
★フォノイコライザーの電源は、+12Vから反転させて-12Vを作っているのですが、このICは500KHz程度で発振しています。
パワーアンプの発振周波数400KHzに近いのでビートを起こしたりしますし、LV2.0の電源に±12VがありますのでこのICの動作を止めます。
R39,R40をはずして、どちらかをR41に取り付けます。(電源のGND)
写真のようにすればこのICは動作しません。
次に電源用の3Pコネクタベースですが、プリアンプのこのコネクタが使用していないので流用します。
MINIの場合は赤丸のコネクター Premium,BASICの場合は黄色のコネクターが使用していないはずです。
流用したコネクターをイコライザーの電源部分に取り付けます。
次にイコライザーの出力をプリアンプの入力にシールドワイヤーで接続します。
今回はミニジャック入力(LINE-3)に接続しました。
4. 組み立て
まず、フォノイコライザーを取り付けて電源を接続します。
【訂正】上の写真では、MM型の設定C1,C2がPIN1-14間に入っていますが、正しくはPIN2-13間です。
プリアンプ基板を載せて配線すれば組み立て完了です。
★この配線は、MINIにプロテクション基板を搭載した場合です。
別売のヘッドホンアンプは、左下に搭載可能です。
穴位置がずれています。失敗の参考例ということで皆さんはきちんと採寸してください。
5. レコード再生
アナログプレーヤーとRCAケーブルで接続します。 GNDも配線してください。
写真ではMCカートリッジをMCヘッドトランスを通して、LVのイコライザーに入力しています。
GNDの接続の仕方でハムノイズが変化します。いろいろトライしてハムの少ないアース引き回しを見つけてください。
では、ゆったりとレコードの音を楽しみましょう。
6.音質改善
プリアンプとイコライザーのオペアンプをMUSEに変更してみました。アナログプレーヤーの音質も結構変化します。
皆さんも是非お試しください。
メーカー | 品番 | アンプ数 | 動作電源電圧 | パッケージ |
---|---|---|---|---|
JRC | MUSE8820 | 2 | 7-32V | DIP8 |
これ以外にも様々なオペアンプで音質の違いを体験できます。アナログプレーヤーに合ったオペアンプを探すのも面白いですね。
【追記】
フロントパネルの剥き出しの基板が気になったので、表示窓フィルターを加工して取り付けました。
取り付け方は、 LVモジュール組み合わせ 4.プリアンプ を参照してください。
今回は、コントロール基板を15mmのスペーサーでスイッチ部分を奥まで移動させました。
(スペーサーは、実際には、M3×10mmのネジと5mm、10mmのスペーサーを重ねて作成しました。)
今回は以上です。
<関連記事>
・LVモジュール組み合わせ 1.ハイレゾ対応USB-DACの製作
・LVモジュール組み合わせ 2.USB-DAC+ヘッドホンアンプ
・LVモジュール組み合わせ 3.USB-DAC対応プリアンプ
・LVモジュール組み合わせ 4.プリアンプ
・LVモジュール組み合わせ 5.フォノイコライザー内蔵プリアンプ
・LVモジュール組み合わせ 6.パワーアンプ
・LVモジュール組み合わせ 7.フォノイコライザー内蔵アンプ
<参考記事>
・オーディオアンプキット LV-2.0MINI(LV2-KIT-MINI) 組み立て方法 その1:準備編
・オーディオアンプキット LV-2.0MINI(LV2-KIT-MINI) 組み立て方法 その2:組立編